レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンときいてピンとこない人でも、格闘技PRIDEのテーマ曲でデーデッデーデデーデデーデーデーってやつ、ライツァーゥ!ゲリラレディゥオゥ!ってやつだと言われれば、あああれねとなる人もいるかもしれない。
しかしあの曲「Guerrilla Radio」に聞き覚えがある人でも、あれがバリバリの反抗音楽、いわゆるレベル・ミュージックだと知らない人は多いかも。
Or the fistagons
The bullets and bombs
Who stuff the banks
Who staff the party ranks
More for Gore or the son of a drug lord
None of the above fuck it cut the cord
(拙訳)
あとは暴力のペンタゴン
銃と爆弾
銀行員を肥やす者と
党員を抱える者
ゴアか、あるいは麻薬王の息子かだって?
どっちもごめんだくそが コードを切れ
Rage Against The Machine - Guerrilla Radio - YouTube
「マシーンに対する怒り」というそのバンド名の、マシーンとは、政治的権力集団やそこに絡む巨大企業とか、そういったものを指すらしい。
だが、音楽は政治的活動の手段でしかないと言い切るには、彼らのロックはあまりにもCoolで革新的過ぎた。
愚鈍ないち高校生の僕は、マシーンへの怒り?ああ、だから打ち込み使わないの?なんてアホ丸出しで無理解のまま、ただただその音楽に魅かれていった。
4枚目のアルバムとなった『Renegades』は、カバーアルバムではあるが、大半の曲はリリックだけ借りてきたレイジの曲という感じだ。
一般には3枚目までに比べて認知度が低い気がするが、個人的にはすばらしい名盤だと思っている。
2000年12月、時期的には、ボーカルのザック・デ・ラ・ロッチャが脱退を発表した直後のリリースだった。
ついでにいえば、翌年の9月11日にアメリカ同時多発テロがあり、直後、全米のラジオ局は、歌詞が「不適切」だとして、放送を自粛する楽曲リストというのを作成した。
以下にその一覧がある。
Musical responses to 9/11: List of allegedly ‘banned’ songs | Freemuse
ジョン・レノンの「Imagine」、クラッシュの「Rock the Casbah」、ビートルズも4曲入っている。
そして、Rage Against the Machineの名前の横だけ、[all songs]である。
ザック脱退でレイジとしての活動は事実上停止になり、そこに放送自粛ということもあって、今となってはこのアルバム自体の印象が薄くなってしまっているのかもしれない。
でも本当にすばらしいんだよ。
憶測になるが、このアルバムの楽曲の完成度が高いのは、カバー故にあらかじめ完成されたリリックに対して音付けするという順序で制作できたからじゃないか。
ザックの創作の仕事が遅いというのは噂ではよく聞いたが、3rd『Battle of Los Angeles』ではたしかに、「フックのついたトラック」くらいに感じられる程度に構成のシンプルな曲が多いように思った。
それがリリックが見えない状態での曲作り故と決めつけるわけじゃないけれど、いずれにしても、カバーアルバムの制作を挟んだことでまた一味変わったであろうレイジの楽曲をもっともっと聴いてみたかったなぁ。
余談。
2008年2月7日、大阪城ホール、再結成して来日したレイジのライブに、北の大地からはるばる参戦した。
ステージからけっこう遠い位置だったせいで若干不完全燃焼だったのもあるけど、それにしても、正直練習不足感の見えたライブではあったかな…。
なにげに周りは外国人の客が多くてビックリした。
フロアのブロックの仕切りから身を乗り出すようにしたはずみに、それをダイブの意思だととらえた後ろのガイジンに「スリー、トゥー、ワン、Go!!」という掛け声で持ち上げられた僕を見て、慌てて「Not here! Not here!」と叫ぶ、前のブロックの黒人。
ここに飛んでくるなという意味なのか、あるいは、この曲の盛り上がりはここじゃねぇだろという意味だろうかなんて考えながら、そのまま不可抗力で飛びこんだ僕は、怒られるまえにそそくさと前のほうに逃げ込んで、続く「Vietnow」を聴いた。
- アーティスト: Rage Against the Machine
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2000/12/07
- メディア: CD
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