小学生のとき、入学して一番最初に先生から習ったことは、「
話を聴くときは、ちゃんと話している人のほうを見なさいという意味だ。
ところで実際、
一般にこれをマガーク効果と呼んでいる。
マガークさんが発見したからマガーク効果なんだけど、論文の発表名は「*1マガークアンドマクドナルド効果と呼ばないとマクドナルドさんが不憫じゃないか。
」なのでとおもったら、海外では「McGurk-MacDonald effect」と呼ばれることもあるってWikipediaに書いてあった。
満足したところで、以下では便宜上マガーク効果と呼びます。
マガーク効果といえば決まって例として挙げられるのは、「ga」と発音した人の映像に「ba」という発音の音声を重ねて再生し、視聴すると、「da」と言っているように聞こえるというやつ。
「マガーク効果」とか「mcgurk effect」とかで検索すればいくらでもデモのビデオが見つかると思う。
上下の唇がくっついてないから「ba」と発音してる可能性はないねっていう判断を人は無意識に行っているということの実証だ。
あまりにも例がこのパターンばっかだから、この現象ってこれ以外に起こんねぇんじゃねぇのかと思ってたりしたんだけど、ちょっと面白い例を見つけた。
Try The McGurk Effect! - Horizon: Is Seeing Believing ...
「ba」と「va」も視覚情報次第でどちらにも認知されるよっていうビデオだ。
なんだ、日本人の耳だからbとvの発音が区別できないんだとか気にする必要ないじゃん。
やつらだって唇見て聴きとったフリしてるだけなんだ。やったね!
実はこういう実験ビデオのように口の動きと音声が一致しない場面っていうのは日常の中にないわけではない。
たとえば海外映画の吹き替えやアニメのアテレコだ。
そういえば、『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』という、映画の字幕翻訳をやっている人の書いた新書を前に読んだが、やはり、吹き替えの日本語はできるだけ口の形を合わせるようにしていると書いてあった。
「No!」と叫んでいる場面では、「よせ!」じゃなくて「やめろ!」のほうが自然に聞こえると。
映像作品を作る際や、人間らしいロボットを作ろうとする際にもおさえておきたいポイントですね。