多感な時期をミクスチャーと呼ばれる音楽とともに過ごしたせいか、楽器演奏のグルーヴにのっかるラップというものがいまだに好きである。
最近、その楽器の最小構成はなんだろうと考えたとき、ひとつの解は、1本のアコースティックギターではないかと思うようになった。
そんなわけで、アコギ×ラップという構成のイケてるやつをいくつか。
MOROHA
「アコギ×ラップ」といえば、いま一番勢いがあるのはやっぱりMOROHAか。
ポエトリーリーディングの枠組みで語られることもあるけれど、歌詞のメッセージ性もさることながら、「リーディング」と呼ぶにはあまりにも音楽的すぎるギター表現の多彩さも魅力のひとつだ。
NakamuraEmi
もうちょっとPOP寄りのところでいうと、NakamuraEmiがいる。
グルーヴィなギターはカワムラヒロシ氏。
個人的にはいま一番、アコギ×ラップっていいよねって思わせてくれるアーティストだったりする。
大森靖子
ちょっと微妙なところで、本人は別にラップやってるなんて意識はないと思うんだけど、アコギ1本で歌う表現力でいうと大森靖子を外すわけにはいかないかなと。
この独創的なグルーヴ。内向的ギター。
Ben Mazué
シャンソンの土壌があるせいか、フランスからは時々こういう変態的なアーティストがぽろぽろと出てくる。
もともと独特の響きを持つフランス語のラップ。アコギの音色にもビックリするくらいマッチするもんだ。
でもこれ実は『Ben Mazue』の音源では全然アコギじゃないんだよな。とてもざんねん。
おまけ
ばりばりのHipHopシーンにおいても、トラックにアコギの音を使うこと自体は決して目新しいことではない。
けれど、どちらかというとHipHopの文脈では、リズムを構成するのはやはりビートボックスで、それに装飾的にアコギの音を入れるようなパターンが多いように思う。
あと以下の「Thugz Mansion」なんかは面白いなーと思うんだけど、伴奏はアコギの音しかないにもかかわらず、リズムを作っているのはそのアコギではなくて、ラップなんだよな。
もうちょっと厳密にいえば、たぶん聴き手はラップから暗黙のビートトラックを脳内再生して、アコギはそのトラックに対する装飾として消化される。
以上。
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