職場で、よそからの電話が不在者宛のものだったとき、僕が受けた場合は伝言があろうがなかろうが必ず本人に「電話ありましたよ」と伝えるようにしている。
先日、ある後輩が「後でまたかけなおすって言ってたし伝える必要ないな」という感じで伝えようとしていなかったので、先輩風を吹かせて「伝えといたほうがいいよ」という話をした。
・人によって伝えてほしい人もほしくない人もいるだろうけど、区別するのもめんどくさいから全員に伝えとけ
・何かアクションをとる必要があるかどうかは伝えられた人が判断することだ
っていうような説明をしたんだけども、ほんとは受け電の連絡なんてこれ自体はどうでもよくて、重要な問題は、言わなくてもいいかもしれないことを気軽に言える空気がないことなんだよなぁって思う。
その後輩の性格なのか、伝える相手との相性なのか、あるいは組織的な文化なのか、要因はいろいろ考えられるだろうけど、いずれにせよ結果的に「電話あったよ」という会話が自然に生まれない空気の中で仕事をするってのは危険でしょうと。
推理小説の名探偵が一見事件に関係のなさそうな証言から真相を導き出すように、その人にとって何が必要な情報で何が必要ない情報かなんてことを、普通の人は正確に線引きできない。
なので情報は余白のついた状態で共有しないと、必ず欠落が発生する。
飲みニケーションやら喫煙所トークやらが大事なんだっていう主張も結局は同じことだと思っていて、普段仕事場でそういう余白を共有する文化がないから、そういう機会を別のところで設けているだけの話だろう。
年齢や役職が上がるほどに、自分が思っている以上に、話しかけるコストが勝手に高くなっていく。
そんなときに「検索すればわかるだろ」なんて言ったら最後、誰も余白つきの情報を渡してくれなくなるのは自明なこと。
むしろ「話してくれてありがとう」を意識して伝えていかんとなぁと、他人事でなく思うのでした。
不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)
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