なんの話の流れだったか、職場の上司に「有給休暇って何のためにあるものだと思う?」と聞かれて、「福利厚生なので*1、社員のためのものだと思います」と答えた。
すると上司は「僕は会社のために取るものだと思う」と。
続けてその上司が話したことは、有給休暇をとった時間で、普段の仕事では学べない知識を学ぶ機会を作れるかもしれないし、会社に対する新しい視点を見つけられるかもしれない。
あるいは、1日頭と体を休めることによって、翌日からの仕事のパフォーマンスを上げられるかもしれない。
だから有給ってのは、怠けるためにとるんじゃなくて、会社のためなんだという意識でとるべきだと思うよと、そう仰った。
なんだずいぶんとポジショントークじゃないかと思いながら聞いていたら、最後に、「みんながそういう意識だったほうが、有給が取りやすいでしょ?」と言われて、すごく納得してしまった。
自分のためだと思うと気持ち的に休みを取りづらくなるけど、会社のためだと思えば胸を張って申請できるだろうと。
うちの会社なんてたぶん世間一般でいえば有給を消化しやすい部類だと思う。
申請が却下されることなんてまずないし、仕事の暇な時期を見計らって自然に休みをとる文化もできている。
それでも確かに、個々人にはなんとなくうしろめたさが生じるものだ。
社員全員が「有給は会社のためになるものだ」という認識になれば、そういううしろめたさもなくなるし、有給の消化率も上がるだろう。
ちょうどいま、国をあげて過労死防止に乗り出したところだけど、制度の改革とセットで意識の改革が絶対必要になるだろう。
とはいえ、某居酒屋チェーンだとか某牛丼チェーンの例を見るに、消費者から「ブラック企業」の認定を受けることが業績の低下に直結するような時代に、実は既になったようだ。
社員が胸を張って有給を消化することが会社のためになるんだっていう認識は、事実まちがっていないということになる。
働きやすい社会まで、もうちょっとなのかもしんないすね。
*1:後から考えたら有給は福利厚生とはいわんか…。