ロックンロールに蟀谷を

踊れないほうの阿呆。Twitter:@oika

Limp Bizkit「Break Stuff」

 思えば高校のときにもっぱら洋楽ロック、とりわけミクスチャーを好んで聴くようになったきっかけは完全にLimp Bizkitだ。

 音楽に対してなのか日常に対してなのか、漠然と感じていた物足りなさのような感情を助走全開でガツンと横殴りにするわかりやすい破壊者がリンプだった。

 圧倒的な重低音の迫力とヒップホップのグルーヴに加え、学校で教わらないスラングまみれの英語詞、ビデオでFワードの部分だけ消される音声、フレッドが中指を立てる度に指を隠すように入るモザイクなども、僕らティーンエイジャーの心をくすぐってやまなかった。

 

 

 バカ売れした直後から商業主義だなんだと批判の嵐だったけど、批判はできても無視はできないアホみたいな勢いが確かにあった。

 1999年のWoodstockフェスが大暴動になったときもリンプのせいだっていう声が多かったし、2000年のMTV Video Music awordではリンプの受賞中にRage Against The Machineのティムがセットにのぼって妨害行為なんてのもあった。


Limp Bizkit - Faith (Live at Woodstock 99) *Official ...

 

 中でも当時狂ったように聴いてたのが2nd『Significant Other』収録の「Break Stuff」という曲。


Limp Bizkit - Break Stuff - YouTube

 

 ジャーージャッ。こんなにシンプルで意図が明確なギターリフも他にない。

 

 そして最初から最後までやたら爽快な語感で煽るリリック。

Its all about the he says she says bullshit
I think you better quit
Lettin' shit slip
Or you'll be leavin with a fat lip
Its all about the he says she says bullshit
I think you better quit talkin that shit
Punk, so come and get it

 なんかの番組のインタビューで、「ロックスターは良いぞ。みんな仕事をやめてロックスターになろう」と、人生をなめきったように語ったその姿にどれだけ憧れを抱いたかわからない。

 腕力で勝てぬヤンキーにも嫌味で勝てぬ大人にも、ソカマゲリと吐いてマイクを投げ捨てるような、無敵のロックスターになりたかったんだ。

 

 

 

Significant Other

Significant Other