RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018、メインステージから遠く離れた FOREST テントサイト、そのゲート脇に設けられた小さなステージ、BOHEMIAN CURCUS。
といってもイメージがわかないであろうから、公式サイトより、画質を下げてマップを転載させていただく。
おわかりいただけるか。BOHEMIAN CURCUSは、↓ここ
RSR2018の私的ベストアクト、関取花はここで演っていた。
アコギ一本。往来の人を立ち止まらせるに十分な歌唱力。
「黄金の海」と表現されたビール、その波をかき分け進む海賊と呼ばれる我ら。
もともとノーマークだったゆえの驚きもあってではあるが、今年のRSRの中でもっとも記憶に残る時間であった。
帰ってから Google Play Musicを漁っていろいろ聴いたが、Google Playには入っていなかった本アルバムは、運よくAmazon Prime Musicで聴くことができた。
『中くらいの話』は、2012年発売の2ndミニアルバム。これは疑いなき傑作である。
T1. 塀と宇宙
すでに最高だ。
張りつめた空気感のアカペラから、弦の手触りの荒々しいギターのストロークが最高だ。
あとなんか、個人的にこういうブルージーなアコギの三拍子が好きなのかもしれん。奥田民生「674」とか、大森靖子「I love you」とか。
T2. 汽車のうた
このアンサンブルを聴け。この頃に既に、最小限の楽器構成でこんなにも美しい音を作ってたんじゃないか。
こっちの方向に進んでいってほしかったなぁというのが惜しい。
T3. ラッターネ
寓話的な美しさのある曲。
「ラッターネ」(Laterne)はドイツ語で、ランタン的なものか。
この曲の「ラッターネ、ラッターネ」という部分は、同じメロディのドイツの民謡「Laterne, Laterne」が元ネタと思われる。
なおCDJournalによると、関取花は幼少期をドイツで過ごしたそうな。
T4. 石段のワルツ
表現力の多彩さを感じさせる曲。
緊張感ある伴奏の中、哀愁ある間奏のアコーディオン?も良い。
関取花のワルツは良いぞ。2017年の「ベントリー・ワルツ」も良い。
T5. むすめ
Amazonの商品説明には、この曲が神戸女子大学のCMとしてオンエアされ、問い合わせが殺到したとある。
まあそれも全然不思議ではないくらいに良い曲であるが、CMは想像してたものとはだいぶ違ったw
歌詞の共感性もさることながら、後半から挿入される素朴なベース音がとても良い。文字どおり胸を揺さぶられる。
アルバムに中性的な歌詞の曲が並ぶなか、唯一歌い手の人物像が明確に描かれる曲かもしれない。
T6. 10月のあなた
変なひねりのない素直な曲ながら、ファルセットの置き方が癖になるサビ。聴き心地が良い。
全体として
というわけで6曲が6曲ともすばらしい。これ2012年の作品かいな。
他のアルバムでは、『君によく似た人がいる』もかなり好きだった。
ただ、演奏の音作りの美しさでいえば本作『中くらいの話』がすでに最高峰なんじゃないか。
新作『ただの思い出にならないように』になると、ちょっともう聞けなくなってしまう。
いちいちこんなこと書くのもあれだが、どうしてかようにのっぺりと、他の誰かと区別のつかない厚化粧をしてしまうのか。あいかわらず歌は良いのだけどー。
- アーティスト: 関取花
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2012/11/07
- メディア: CD
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