ここ数年はお盆の時期と仕事の繁忙期が重なって、石狩湾のロック祭りを諦めるのは通例となっていたから、今年もまた、仕事を休めなそうだと知ったときも、さほど大きな落胆は無かった。
テントサイトを押さえたいという友人のためにチケットの予約だけ協力し、後からエピローグだけ聞かせてもらえればいいかなと。
それがどこで話が食い違ったのか、気づけば自分の分の通し券とテントに寝袋まで用意されてるよという話になっていたものだから、これはもう神の思し召しやもしれぬということで、俺なりの、社畜なりのスタイルでフェスってきましたよ。
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO
1日目
出社。平日だし。
19時に仕事を切りあげ、ダッシュで帰宅。着替えて再出発、シアトルバスへ。
着いたときには既に夜の暗さの会場で、煌々と輝くパトレイバーを目印に友人と合流し、荷物をテントへ。
■夜の本気ダンス
名前がずるいバンド代表、夜の本気ダンス。
初日はほぼこれのためだけに来たようなものだ。
開始から「WHERE?」「B!tch」と飛ばす飛ばす。
なにせ体力も有り余っているもんで、ボルテージも上がる上がる。
夜の本気ダンス MV "WHERE?" - YouTube
しかし会場盛り上がりMAXでも、演奏走りまくったり安売りしてしまわないあたりはさすが。
余すことなく楽しんで、1バンド目にして完全に出し切った。
その後は遠目にスカパラ見て、セッション見て、気持ちよく眠りにつきました。
2日目
口々にあほーあほーとやかましいカラスによって早々と起床。
ほどなく朝雨。
朝風呂へ行く友人の車で駅まで送ってもらって帰宅し、即出勤。
通し券のリストバンドを長袖で隠しつつ働く。
Purfumeに合わせて戻れるくらいの時間めがけて、うまく仕事をやっつけて退勤。
再び往路のシャトルバスへ。
この日のバスではMC運転手のオンステージ。
「お客様の中で道外から来られた方、いらっしゃいましたら降車ボタンでお知らせください」
「お客様はどちらですか? 青森? では、青森よりもっと遠くから来られたという方、いらっしゃいましたら降車ボタンでお知らせください」
「今までのお客様の中では、上海からという方がいらっしゃいましたね」
「逆に皆様から私に何か質問ございますか?降車ボタンで(略)」
「ございませんか?先ほどは質問が多すぎて、ちょっと遠回りして行ったんですけどね…」
■Perfume
一時期あれだけはまっていたPerfume、そのライブを生で見られるというのに、変なプライドなのか何なのか、ちょっと斜に構えて、気遅れ気味で参加してしまったのを開始直後に激しく後悔した。
いろんな感情まじりながら見ていたのだけど、「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」のイントロが聴こえた瞬間にだいぶ感極まった。
謎のやましさを抱えながら聴きまくった曲。まさか生で聴ける機会があろうとは。
Perfume パーフェクトスター・パーフェクトスタイル LIVE - YouTube
しかしPerfumeのライブはやっぱりアイドル成分が多めというか、トークと遊びが多くてなっかなか曲にいかないのな笑
■Rei
前日くらいに出演アーティストをチェックしているときに、ボヘミアンステージのタイムテーブルに見つけたブルースダイヤモンドの原石。
ステージで見たらだいぶ小柄な女性だった。
ギター1本で作り出すグルーヴが最高に気持ちよくて、ずっと聴いていたくなる。
今後が楽しみすぎる、要注目アーティストだ。
個人的には、あんまり帰国子女的な部分を売りにする必要はないので、ジャパニーズスタイルの女性ブルースを切り拓いていってもらえたらなと。
■T字路s
完全に初見。ティージロスと読むらしい。ギターボーカルとベースの2人組。
Reiに続いてボヘミアンのステージに登場するのを眺めていたら、ひとこえ歌いだした瞬間に度肝を抜かれた。
一度聴いたらやみつきになる、美しい枯れ声のシャウト。
家に帰ってからじわじわと脳内再生回数をのばしつつある。
泪橋/T字路s at Pony'sToy - YouTube
泪橋、帰ってからめっちゃ聴いてる。
ボヘミアンはタイムテーブルが押しに押して、続く竹原ピストルは途中で泣く泣く切りあげて、tricotの待つデフ・ガレージへ走った。
■tricot
2日目の大本命トリコ。
ミニアルバム含めてアルバム3枚聴いてるくせに、メンバーの顔すらあんまりわかっていなかったのだけど、ステージで見たら、想像よりずっと小さくて、幼くて、そして可愛くてびっくりした。
ボーカルのイッキュウさんのあどけなさ。リハの音出しで「爆裂パニエ」が確かに彼女の口から吐き出されるのを見て、おいおいまじかよと。俺はこんな小娘たちにおちゃんせんすぅすされてしまうのかと。
ライブはもちろん良かった。良かったのだけど、実はこのtricotのライブで抱いた感情をどうにもうまく言語化できなくてなかなかこのブログエントリーを書けずにいた。
結局過不足ない表現ができそうにないのだけど、端的にいえば、イッキュウさんの可愛さを知ってしまったのはちょっと余計だったなと。
これまでのような純粋な気持ちで彼女らの変拍子にゆらゆらしていられるだろうか。
安いダジャレでいえば、tricotのとりこ的なことになってしまわないだろうか。
といったところで僕のRSRは幕を閉じました。
まとめ
社会人でも、ロックフェスに行けば良いのです。
行ったり来たりだったけれど、何気に会場へむかうワクワク感を2回味わえてお得な気分もあったりした。
実はRSRは最初の頃に何度か行ったきり、たぶん4,5年ぶりくらいの参加だったのだけど、何にびっくりしたって、祭太郎ですよ。
最初の頃は活動目的もわからんけどなんか和太鼓たたいている人毎年いるな…くらいの感じだったのに、いまや欠かせない盛り上げ役ですね。
道のないところに道を創ったその歩みに恐れ入る。
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